うつらうつらと

夢から覚めるとほんのり外が闇を抜け出す時間。体を起こし瞼をこすってようやく昨晩15分だけ、と体に毛布を巻き付けて床に転がったところまでを思い出す。おはよう、とも言い難くうつらうつらと風呂場へ向かい、青白い浴室で温かい湯を浴びる。そういう朝の浴室はまだ夢の続きのようで、瞼を下ろすと再びそっち側に転がってしまいそうになる。うつらうつらと、朝の夢を見る。

 

今でも初恋の人、が夢に出てくるのは、一体どういうことだろう。思い出してもいないのに。叶わなかった想いが叶っているのは、一体どういうことだろう。未練と呼べるものが残るほど、恋、まで届かなかった恋なのに。

優しくされたいとき、どうしようもなく寂しいとき、夢の中には誰かが…私の欲する誰か、が現れて、私を甘やかし、愛し、傍にいてくれる。充足されない気持ちは、眠る私が満たしてくれる。だから、目が覚めた世界で私は、「寂しい」なんて言わないで、「優しくされたい」なんて言わないで、私は平気なのです、という顔でまた社会や世間に溶け込んでいく。

 

さあ、そろそろ髪を乾かして、私を夢から覚まそう。